相続財産調査

相続で、遺言が残されていない場合は、被相続人の財産をどのように相続するかを相続人全員で話し合わなければいけません。
話し合いの前提として、被相続人がどのような財産を持っていたかを明確にする必要があります。
後から財産が見つかった場合には、新たに見つかった財産について再び相続人全員で話し合わなければいけなくなる等、手間がかかりますし、見つかった財産の内容によっては揉め事に発展するおそれもありますので、トラブル防止のためにも、最初から相続財産調査を行い、財産を明確にしておくことが大切であるといえます。
相続財産調査は、相続するかどうかを検討する上でも大切なものになります。
例えば、相続財産の中に借金が含まれている場合、そのまま相続してしまうと、借金を背負うことになってしまいます。
借金のようなマイナスの財産よりも、プラスの財産の方が多い場合は、相続するという選択をすることになるかもしれませんが、いずれにしても、相続財産の中に借金があるかどうかが分からないと、相続しないという選択をすべきかどうかを検討することができませんので、相続財産調査は早い段階で行うことをおすすめします。
相続財産調査は、財産の種類によって調査方法が異なり、調査に手間取ることもあるかもしれません。
例えば、不動産の調査は、固定資産税納税通知書や名寄帳を取得して行います。
預貯金口座は、取引があったであろう金融機関について、手がかりをもとに一つ一つ地道に調べていくことになります。
被相続人のことをよく知っているという相続人であっても、被相続人の財産を全て網羅できているとは限りませんので、おそらく大丈夫だろうと安易に判断することは避け、ご自身で相続財産調査をすることに不安があったり、対応する時間がなかったりする場合は、専門家にご相談ください。